シナリオフック3 「魔境に伝説の巨人を見た!!」

博物学的・分類学的な趣向を持つ角界の名士が集う金曜蚯蚓会。
それは毎月第三金曜日に会長宅に会員達が思い思いの珍品奇品を持ち寄って、鑑賞するという会員制倶楽部である。
前回、会員の一人である関取「華の孔(はな☆あな)」が、既に絶滅したと思われていた恵栖二市のみに生息する人喰い山椒魚を30時間に及ぶ激戦の末、素手で引き据えて捕らえ、会に持ち寄って喝采を浴びた(年間特別賞の選考に挙がる事は間違いない)。
常々関取に隔意を抱いていた元奇族の末裔「粗茶小路蟻鐘(そちゃのこうじ・ありがね)」が対抗意識を燃やし、人喰い山椒魚以上に稀少な珍獣・奇獣を手にするべく行動を開始した。
恵栖二市西部は白鱈山脈の麓を覆う樹海、恵栖二の古語に曰く「生きて戻るもの無し」と呼ばれるその地へ、山海経にも記される伝説の獣“磨亥・横”を求めて旅立つ。
期間は二週間。
PC達は粗茶小路の部下や、傭兵、雇われた狩人、同行した雑誌記者などで、魔境から無事に生きて戻らなければならない。
道中、古代恐竜、異教の蛮族や夢を奪う黒妖精などが襲い掛かってくる。
実はダンジョンハック。
樹海の深奥、かつて人の立ち入った事の無い秘境で、神秘の獣と邂逅する一行。
人語を解する獣を言いくるめ連れ帰ろうとした元奇族だが、邪心を見抜かれてしまう。
罰としてその神秘の力を解放する獣。元奇族を撃つ四方からの青い光。
ハイパー化し、全長20mの巨人となる元奇族。
怒りと屈辱に心を煮たせながら、巨大奇族は仇敵である関取を求めて市街へ進軍する。
このままでは市街に入ったとたん、巨大猥褻物陳列罪で市民を恐怖のズンドコに叩き落とすだろう。
罪無き市民の心の平穏を守れ!!