まだ適当に書き散らしたって段階

イントロダクション
−体は大人、頭脳は子供、青年性奴隷江戸川亜成が闇の生への馴れ初めを語る−

その場に居なかった人間に今更どうこう言われる筋合いは無いし、言い訳ならいくらでもできる。
しかし、僕がたくさんの人間を見捨てて、裏切って、一人だけ生き延びたのもまた事実だ。
かつて永遠の愛を誓った相手はもう居ない。
勿論、それは心からのものではなくて、生きるために、愚かで傲慢で醜かったご主人様を欺いたのだ。
ご主人様は、自分よりも弱く小さい生き物を、痛めつけ、苦しめ、嬲ったが、それは全て自分が愛されたかったからだった。
その事に気づいたのは僕一人。
そして僕は生き延びるために彼を愛した。
他のみんなはそれに気づかなかったから、死んでいった。
気づいたとしても、彼を愛することなんてできなかっただろう。
生き延びた僕には今、新しいご主人様ができた。
醜い豚の下で足掻いていた僕を救ってくれた彼。
彼に与えられた血を飲み、生まれ変わったような気がした。


最初のうちは。


しばらくしてから、何も変わっていない事に気が付いた。
もう屋敷の地下室に閉じ込められる事は無いし、外にも自由に出かける事ができる。
でも僕には自由が無い。
僕はどこにも行く事ができない。
僕は一人で生きていく事ができないから。
そうする術を持たないから。