キャラ設定後編1

もうなんか激しくダメポ。
つか視点が一致してないので激しく読みづらいような気もする。
次で終わりますよ!
きっと。多分。それなりに。
ていうか、ネバーエンドか男坂登るかミカンにするか。
後編1
 マシューはこの二週間というもの、ずっと自室に引き篭もり食事もろくに取らず、夜もほとんど眠れず、誰かに見張られているのではないかという脅迫観念にとりつかれていた。ガリガリにやせこけ、落ち窪んだ瞳には狂気が宿り、常に落ち着き泣く周囲を窺っている。わずかな物音にも神経質に反応し、心配して様子を身に来たジョージも怒鳴りつけて追い返す始末。危ぶんだ組織の幹部から、計画から外れるよう言い渡されたが、憤然と反対し今まで一度も見せた事の無いような強い執着を示す。説得に疲れた幹部はマシューを捨て駒として扱う事にし、別働隊を組織する事にした。
 そして当日。前回下見に来た場所とは異なる、次善の策として用意していた狙撃ポイントで静かに待つマシュー。体調は最悪だったが、精神は異常に昂ぶっていた。スコープを通じてターゲットを見据える。今ならば引き金を引かずとも、睨むだけで殺害できそうなほどの高揚感があった。時が至れば一撃で仕留めてやる!そう舌なめずりをしながら、他の標的を次々とスコープで捉えて行く。全員を殺す必要は無い。内通者さえ殺さなければ、後は誰を殺しても良いという事だった。教祖を片付けたら次はあの女だ!俺はあの女を殺すために今日ここに来たんだ!!猛る心を抑えつけながら、女を捜す。居た。以前のように幹部たちの固まりの後方に居る。その頭部へと狙いを定め、そろそろと引き金に指をかける。もう教祖なぞどうでもよい。今、この瞬間にケリをつけちまうんだ!そう思って指に力をこめようとした時、彼女が再びこちらを見つめてきた。動揺のあまり、呼吸もできなくなって、動けなくなるマシュー。女は意味有りげに笑うと、舞台の奥、射線の通らない場所へと立ち去ってしまった。
 女が姿を消してから数十秒が過ぎ、ようやく金縛りが解けて息をする事を思い出す。痛む頭を抑えながら、幾度か深呼吸を繰り返し、何とか心を落ち着かせようとしていると、腕時計が目に入った。もうそろそろ指定された時間だ。心を無理矢理奮い立たせ、ライフルを構え直してなんとか集中力を高めようとしながら待つ。
 そして時間が来る。ゆっくりと引き金を引き絞ろうとしたその瞬間、それは起こった。教祖の後ろ、少し離れた所に並んでいた幹部の一人がすっと右手を差し上げ……撃ったのだ。少し遅れて、会場から離れたこの場所まで発射音が響く。1発、2発、3発。背後から撃たれ教壇へ体を投げ出す教祖。脳漿がぶちまけられる瞬間が、スコープ越しに見えた。何が起こっているのか一瞬わからなかった。気付くと、銃を撃った男は取り押さえられている。その顔を良くみると……内通者の男だった。何故だ?何故やつが直接殺す必要がある?プランが滅茶苦茶じゃないか!気を取り直すと携帯を取り出して事務所に居るはずのジョージに連絡を入れる。他に監視をしているチームがあるからそっちからも詳しい連絡が入ってるはずだった。
 「おい、ジョージ、こっちの状況は聞いているか?」「あぁ、聞いている。一体どうなってるんだ?こっちも大騒ぎだ」「わかるわけがねえだろう。俺が知りたくて連絡したんだ。おい、俺はどうすればいいかサムワンさんに指示を仰いでくれないか?どうしたらいいのかさっぱりわからん……お?」
 話しながらスコープを覗いていると、例の女が教祖の死体をどけて壇上に上がる。こちらからは何を言っているのかわからないが、信者たちに呼びかけているようだ。すぐに信者たちの動揺が収まり、会場は静まりかえった。「あの女……一体何をいいやがったんだ?」「おい、マシュー。急に黙りやがってどうしたんだ?おい、聞いてるのか?お……」突然、携帯の向こうから何かが破裂するような音が聞こえた。そして通話が切れる。
 「な、何が起こってやがるんだ?!」立ち上がって踵を返したところで、後ろに立っていた女と目が合った。「取り込み中みたいだったんで声かけなかったんだけど。もういいかな?」馬鹿にしたように声をかけてきた。例の女とはまた別の女。大柄でツナギを着ていてやたらと毛深く、野球帽を深めにかぶっており、顔をあまり見せないようにしている。彼我の距離は5mほど。確かに周囲に気を配る余裕は無かったが、これだけ近づかれて気がつかないはずがない……。焦りを隠そうとして最悪の手段を選んでしまった。手にしていたライフルをそのまま女に向けようとしたのだ。確かに取り回しの利かないライフルを近距離で使うべきでは無かったかもしれない、だが、事態はマシューの予想を遥かに超えていた。気がつくと、5mの距離を瞬時に詰められ、銃身を踏みつけられていた。呻き声を上げながらライフルを引っ張るがびくともしない。圧倒的な力の差を感じた。慄きながら背後に飛び退り、拳銃を取り出そうとして懐に手を入れたところ、同時に跳躍してきた女からハイキックを左のテンプルに受けて気を失った。