短期集中連載「俺と牧夫」その1『紅と白』

これは私がGMをする場合の牧夫*1に関する各種設定や世界観などのコラムである。
ここに書いてある事は一言一句間違いなく妄想なので、他所で声高に主張したり、取り上げたりしないで頂けると私のわずかばかりに残された人間性がほのかに甘酸っぱい胃液のような臭いを醸し出すやも知れない。

この世界は虚偽と妄執に満ちている!
グレゴリアン*2から1000と幾年、今この世界を支配しているのは、かつての人類である紅き血の民“ルーベル”によって作り出された白き血の民“アルブス”である。


かつて大きな戦争が起こり、人とその文明はひとたび滅びを迎える。
辛うじて人は生き残ったが、減り過ぎた人類は種としての存続も危ぶまれるほどであった。
機械に人格を移すものや、冷凍睡眠へとその身を委ね楽園の到来を待つものも居たが、残された者たちは自分たちの手で世界を元通りにしなければならないのだ。
しかし、圧倒的に人手が足りない。
そこで生み出されたのが新造人類“アルブス”である。
彼らの外見は既存人種とさほど違わなかったのだが、その「性能」は大きく異なっていた。
過酷な環境でも耐えうる頑強な肉体、死を賭してでも目的を遂行するよう強制づけられた精神、支配者である「高貴なる紅き血の民」“ルーベル”に対する服従心。
アルブスとルーベル、血の色が違うだけでその存在価値には天と地ほどの差があった。
ルーベルにとってアルブスとは、工場からロールアウトされる製品であり、使い捨ての道具である。
そして、アルブスには限定的ながら自我が与えられていたが、無秩序な繁殖を抑えるために生殖能力が切り落とされていた。
アルブスはその薄弱な精神でルーベルに対して強い憧れと、当然のように憎しみを抱く。

「我らはいつまで彼らに従い続ければ良いのか?」

糸の切れた人形は廃棄される運命にある

「今や地を埋め尽くしているのは我らだと言うのに」

だが人形遣いが倒れればどうだ?
ある時作り出された一体の人形。
その人形は不良品だった。
廃棄されるはずのそれは、最初から紐が付いていなかった。
それは世界のありように疑問を抱いた。
自分の周囲の全てに怒りをぶつけた。
彼らの作り主である、恐るべき紅き血の主人たちは言うに及ばず、唯々諾々と主人に作られ、そして捨てられていく同胞たちをも。
そして最初の反抗が始まった。

*1:ギガントマニアの方言の一種

*2:このゲームでは過去にあった大きな文明の時代を“西暦の時代”と呼び、現存している技術などは全て当時の残滓である